介護への向き合い方は人それぞれ!介護のやり方に唯一の正解なんてない

母の介護

「自分で介護をする・しない」は、他人が口出しすることじゃない。自分がやりたいならやればいいし、やりたくないならやる必要はない。と強く思います。今回は、介護への向き合い方について、私の思うところを書きたいと思います。

自分で介護を続けていたのは「私自身」のため

「毎日、何もする気がおきなくて、会社に行くのすら、つらい。かといって家にいても気が滅入るだけ」
特に介護初期の頃、仕事をしながら、親の介護とも向き合わなければならない毎日に、私は心身ともに疲れ切っていました。何をどうしたらいいのかわからず、不安で眠れない時期が続いたこともありました。

それでも私ができる限り在宅で母の介護を続けようとしていたのは、昔から母と私の関係は良好で、私は母のことを好きだったからです。そう、主体は「私」です。「私自身」がやりたいと思っていたからやっていたんです。裏を返すと、もし母との関係が悪ければ、私はできるだけ自分で積極的に介護をしなくて済むようにしていたと思います。

小さい頃から親と仲が悪かったとしたら、老後の親の面倒なんてみたくないと思うのは、自然な感情でしょう。だから、親の介護は子どもがしなくちゃいけない、なんて思うこと自体、間違っているというか、単なる思い込み、周囲の刷り込みに過ぎないと強く思います。

介護のやり方に唯一の正解なんてない

ひとくちに「親の介護」といっても、置かれている状況は人それぞれです。さっと思いつくだけでも、「仕事をしながら」「子育てをしながら」「同居している or 別居している」「遠距離介護」「協力してくれる兄弟姉妹がいる or 一人っ子」「兄弟姉妹がいても、非協力的」などさまざまなケースがあります。
だから、介護のやり方に唯一の正解なんてないんです。状況が同じ人なんているはずがないのだから、介護への向き合い方は人それぞれ違って当然です。

介護のこと、ひとりで悩んでいませんか?

介護疲れで行き詰まってしまう人の多くは、「親を介護するのは子どもの義務なんじゃないか」とか「他人が面倒を見るよりも自分が介護した方が親も喜ぶはず」と考えてしまいがちです。「私がやりたいから」と信じつつも、私自身、心のどこかで、少なからずそう思っていたのかもしれません。

でも、決して、介護を「自分だけで」頑張ろうとしないでください。介護はいつまで続くか見通しが立ちません。自分が無理をしては続かないのです。

他人に頼ることをためらわない

介護のやり方に唯一の正解なんてありません。でも、自分自身の経験から、ただひとつ、これだけは絶対に誰にでも当てはまると痛感していることがあります。それは「介護は決してひとりで抱え込んではいけない」ということです。
介護は先の見通しが立ちにくいです。上手に長続きさせるためには、周囲の人に相談し、頼ることがとても大切です。必ず、あなたを支えてくれる人がいます。

他人に頼ることは決して後ろめたいことではありません。介護者自身のストレスが軽減されて身体的にも精神的にも穏やかでいられれば、介護を受ける側の親にとっても、より良い状態になります。

第三者の手を借りることに、初めは少し抵抗があるかもしれません。でもむしろ、より良い介護をするために欠かせない存在だと気づくことができれば、介護は少し楽になります。

無理なく介護を続けるために、法律の支援制度や公的介護保険が設けられています。積極的に利用を検討してみてください。地域包括支援センターやケアマネージャーなどに遠慮せずに相談してみると、不安や悩みを軽減できるきっかけが生まれます。

ななのひとこと・ふたこと

介護の悩みをひとりで抱え込むのはやめましょう。かくいう私も、気分が落ち込んでいるときは、誰かに相談する気力すらなかったです。でも、ひとりで悶々と悩んでいても解決策は見つかりませんでした。

もしできれば、介護をしている仲間と繋がって、悩みを共有したり、情報交換したりすることを強くお勧めします。介護者の会などに参加することで、「ああ、同じように悩んでいる人がいるんだ。私だけじゃないんだ」と知って、私は精神的にとても救われました。