お墓探しでは何を優先するべき?お墓を探す際のポイント・判断基準

制度・法律

お墓を探すときに、何を優先するのかをはっきりさせることはとても重要です。
こだわりは人それぞれですが、希望をすべて兼ね備えたお墓はそうそう見つかるものではありません。

何を優先したいのか、譲れない条件は何か、などをあらかじめ考えてお墓探しをすることをお勧めします。

お墓を探す前に確認しておきたいこと

お墓探しを検討し始めたら、まず検討・確認すべきことは4つあります。

希望のエリアや場所を考えておく

お墓を探すときの一番のポイントとなるのは立地ではないでしょうか。

お墓は建てておしまいというわけではなく、墓守をしていかなければいけません。お墓参りのしやすさから、近年は「家から近いこと」を重視する人が多い傾向にあります。

自宅からの距離や交通の便、所要時間などを考慮しておおよそのエリアを絞り込みましょう。親戚や友人がお墓参りに来やすいかどうかも大切です。

予算はどれくらいかけられるか

お墓づくりにかかる費用は、大きく分けて「永代使用料」「墓石費用」「管理費」があります。

永代使用料とは、お墓を使用する権利代金です。管理費は、一般的に年間の維持管理費のことをいいます。お墓を持ち続ける以上ずっと払い続ける費用です。なお、納骨堂の場合、墓石費用はかかりません。特に都市部で交通の便の良い場所を選ぶとすると、永代使用料は高くなる傾向があります。

宗旨や宗派を調べておく

お墓に入る人(今後入る予定の人も含む)の宗旨・宗派を確認しましょう。墓地によっては、受け入れることができる宗旨・宗派が決まっている場合があるからです。

特定の宗教に信仰がなく「宗教はこだわらない」という場合、あまり深く考えずにお墓を購入してしまうこともあるかもしれません。あとで親族などとトラブルになることも考えられます。大切な問題なので、きちんと確認したほうがいいでしょう。

将来的にお墓を継承していくか

将来的にお墓を継ぐ人がいるかどうかも確認しておきます。おひとりさまや子どものいない夫婦、子どもはいても負担をかけたくないなどと考えている場合は、お墓の継承者が不要な永代供養墓を選ぶ必要があります。

またお墓の形態によっては、収めることができる遺骨の数に制限があるケースもあります。何霊位収める予定がありそうかも確認しておきましょう。

お墓を探す際の優先基準やポイントは?

お墓を探すにあたって、どんな点を気を付けるべきなのでしょうか。

交通アクセスが不便ではないか

お墓までの距離や所要時間だけでなく、どのような交通機関を利用できるのかも選ぶ際のポイントとなります。

電車を利用する場合、乗り換え回数や、電車の本数、駅からの距離、坂道などはないかなどもチェックしましょう。自家用車で行く場合は、駐車場の有無や無料で利用できるか、お盆やお彼岸などの際も利用できるかを確認します。

大きな墓所であれば、入り口から自分たちのお墓までの距離もチェックしておきしょう。

墓地の運営主体はどこか

お墓(墓地・霊園)を運営主体で分けると、「寺院墓地」「民営墓地」「公営墓地」の3種類になります。

運営主体が違うと、墓地の管理体制はもちろんのこと、お墓を建てるための条件や費用なども異なります。それぞれの特徴をきちんと把握した上で選択することが重要です。

寺院墓地

寺院墓地は、その名のとおり寺院の境内にある墓地で、経営主体は宗教法人です。
寺院墓地でお墓を建てるには、そのお寺の檀家になることを条件としているのが一般的です。

お寺の檀家になるということは、その寺院の宗派の信徒になるということで、お寺への支援や協力が求められます。

民営墓地・霊園

民営墓地は、経営主体は宗教法人や公益法人などで、民間企業が管理・運営を行なっているものをいいます。

経営主体が宗教法人である点においては、寺院墓地も民営墓地の一種といえますが、寺院の境内(または隣接している)にある墓地を寺院墓地と呼び、民営墓地とは区別しています。

民営墓地の多くは、宗旨宗派不問で、お墓のデザインなどの制限が少ない点が特徴です。

公営墓地

公営墓地の経営主体は自治体で、都道府県や市町村などが管理・運営しています。宗教の制限がない場合がほとんどです。

自治体が運営しているため、永続性については心配する必要はないといえるでしょう。また、価格も比較的安価なこともあり人気がありますが、抽選で当たらないと利用できません。しかし、自治体によっては、遺骨のない人は申し込みできなかったり、墓石のデザインなどに制限があったりします。

主に、その都道府県または市町村に住んでいる人を利用対象としているので、その地域に住んでいない人はそもそも申し込めない点にも注意が必要です。

管理がしっかりされているか

墓地園内の管理や運営はしっかりしているか、以下の項目を中心に確認しましょう。

  • 係員の対応はきちんとしているか(挨拶など)
  • 墓地内はきれいに清掃されているか
  • 木々などの手入れはきちんとされているか(枯れ葉などが散乱していないか)
  • 園内の通路は狭すぎることはないか、きれいに保たれているか
  • 墓参用品は備えられているか、整理整頓されているか

設備は過不足ないか

お参りするところだけでなく、本堂や客殿、法事会場などを確認します。そのほか、トイレ、駐車場、休憩所、水汲み場、管理事務所などもチェックしましょう。
車椅子や杖で利用することも想定して、バリアフリー化されていれば、将来も安心です。

墓地の環境や周辺環境は希望に合うか

墓地自体の施設の充実度や全体の雰囲気も重要ですが、墓地の周辺になにがあるかも大きな要素だと思います。

休憩所がない墓地の場合、近くに休憩ができる施設があったほうがいいでしょう。
近くに飲食店などが多くあれば、「お参りのついでに美味しいものを食べようか」という楽しみも生まれて、お参りの回数も増えるかもしれません。

また、周辺にお花屋さんがあると、そこでお気に入りのお花を調達してお参りにいかれます。

ななのひとこと・ふたこと

自分の100%理想通りのお墓はありません。私は、実際に探し始めて、「この施設は、この点はいいけど、あの点はちょっと・・・」「こちらは、これが気になる・・・」などと、迷ってしまっているのが現状です。

譲れない条件や価値観は人それぞれです。だから、お墓選びの絶対の正解(答え)なんてありません。すべての条件を満たそうとすると選択肢が狭まってしまいます。「これだけは譲れない」「その代わり、この点は譲歩できる」といった条件を洗い出しておくことが大事です。

何箇所か見学するうちに、自分の希望や優先順位が変わったり、新たに気付いたりすることもあります。考えてはいたつもりでも思いついていなかったことの発見もあるので、気になるところがあればできる限り見学に行ってみるほうがいいな、と思います。