小規模多機能で泊まりを利用する
2年ほど前から小規模多機能施設を利用しています。
小規模多機能は、一ヶ所で通い(デイ)や泊まりができるため、泊まりを利用する際でも、本人の混乱が多少なりとも軽減されると言われています。
認知症の人は環境の変化に特に敏感です。慣れている環境で過ごせるに越したことはありません。
私は、ときには夜10時11時まで残業することがあります。そうなると、さすがに母を家でひとりにしておくことはできないので、仕事で遅くなるときは泊まりを利用しています。
昨年4月に職場の組織体制が変更になり、業務量が増えました。その結果、残業が増えて、母の泊まりの回数も増えています。
働きながら介護して思うこと
介護と仕事を両立するうえで、「職場の理解が得られるかどうか」と「時間の融通がきくか」はとても重要なポイントです。
私が会社勤めをしながら在宅介護を続けられているのは、職場環境に恵まれていることが大きいと思っています。
ただ、去年4月の組織変更により、上司も変わりました。介護に全くと言っていいほど理解がない上司です。
改正育児・介護休業法(2017年1月)の改正点
今年1月に育児・介護休業法が改正されました。
仕事と介護の両立支援制度についての改正ポイントは以下の4つです。
介護休業の分割取得
対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を分割して取得可能
改正前は、取得できるのは原則1回のみでした。1回しか取得できないと、「いつ」「どのタイミングで」取得するかとても悩みます。一度取得したらもう2度と取れないからです。でも3回に分割できれば、その迷いは軽減されます。
介護休暇の取得単位の柔軟化
半日(所定労働時間の2分の1単位)での取得が可能
改正前は、1日単位でしか取得が認められていませんでした。
私は介護休暇は使わず通常の有給休暇を使用しています(介護休暇はなんとなく取りづらいため)。有休なら半日取得できるので、この改正は私には特にメリットは感じられません。
介護のための所定労働時間の短縮措置等
介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用(※)が可能
※時短勤務、フレックスタイムなど
改正前は、介護休業と通算して93日の範囲内でしか取得できませんでした。介護休業とは別に取得できるのは大きいと思います。
介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
介護のための所定外労働の制限(残業の免除)について、対象家族1人につき、介護終了まで利用できる所定外労働の制限を新設
改正前はそもそも規定がありませんでした。
今の私にとって、今回の改正のなかでこれが一番大きなものでした。要するに「事業者(会社)は時間外労働(残業)をさせてはいけない。残業しないで済むように業務を配慮する。」ということです。
「介護のための所定労働時間の短縮措置等」で掲げられている時短勤務などは3年までしか取得できません。この規定は取得期間の制限がないところが大きなポイントだと思います。
制度だけじゃどうにもならない
「介護のための所定外労働の制限(いわゆる残業免除)」をさっそく1月から利用申請したいと思い、昨年のうちに上司に相談したところ「申請してもいい」との許可を得ました。
でも、仕事量は減らず、むしろ増えました。とてもじゃないけど残業せずに済む業務量ではありません。
残業免除を申請することを許可はしてくれたけど、業務上の配慮は特にありませんでした。
制度があったとしても、結局上司の理解がない限り意味がないことを痛感しました。
今のところ申請は諦めて、今後どうするか考えているところです。
以前、介護に理解のある上司のもとでは、こういった制度がなくても、ある程度業務の融通を利かせてくれていたので、とても助かっていました。
ななのひとこと・ふたこと
制度も大事なんだけど、それだけじゃどうにもならなくて、結局は周囲の理解や協力が一番のポイントだな、と思います。理解ある同僚にはとても感謝しています。