仕事と介護の両立には働き方の多様性・柔軟性が必要だと思う

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東京商工リサーチが2016年11月に実施した、介護離職に関する企業へのアンケート調査
仕事と介護の両立について、企業はどう考えているのかがわかる興味深い内容です。

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アンケートの回答(一部抜粋)

将来的に介護離職者が増えると思いますか? 「はい」71.3%

7割以上の企業が「増加する」と考えているんですね。

介護離職者が増えると思う理由はなんですか?

  • 従業員の高齢化に伴い家族も高齢化している 81.9%
  • 現在の介護休業・休暇制度だけでは働きながらの介護に限界がある 58%
  • 公的なサービスの縮小による介護負担増加 34.5%
  • その他、「独身・未婚者の増加、共働きの増加で介護負担が大きい」という意見も。

仕事と介護の両立支援について自社の取り組みが十分だと思いますか? 「そうは思わない」72.4%

「不十分だ」と考えている企業が、これまた7割超。でも、不十分だと認識しているということは、改善しようと考えている裏返しでもあります。今後、取り組みが進んでほしいものです。

仕事と介護の両立に向けた取り組みや整備している制度は何ですか?

最も多いのは「就業規則や介護休業・休暇利用マニュアルなどで明文化」47.3%
続いて「介護休業・休暇の周知、奨励」17.5%

「現在の制度では両立に限界がある」と認識していながらも、支援に対する取り組みは、まだまだこれから。規則の作成や制度の案内に取りかかり始めたばかり、という企業がいかに多いかが分かります。

うちの会社もまさにこの段階です。
今年1月の育児介護休業法の改正と合わせるかのように、介護支援制度について先日はじめて全社に一斉広報されました。

介護離職を防ぐための具体的な提言がありましたら記載してください(自由回答)

この自由回答の中に、「そう!まさにこれ!」と感じた意見がありました。

「介護離職」という括り方に疑問がある。育休にしても、休暇に対する議論自体が前提が「ネガティブ」だ。介護も育児も「ポジティブ」に捉えれば、「働き方を変える」もしくは「他人に介護を任せる」という選択肢が圧倒的に増えると思う。

一人で介護と仕事の両立可能となる様に、給料も労働時間も正社員の半分で働けるような勤務体系が普及すると良い。

東京商工リサーチ「介護離職に関する企業へのアンケート調査」より引用

「働き方を変えるという発想」「柔軟な勤務体系」が必要

長い人生の中において、育児や介護などでがっつり働けない(もしくは働かない)時期が生じるのは当然のことなんじゃないか、と思うんです。

そういう期間中は、給料が減ってもいいから、時間に融通をつけて働くことができる、とか。
働き続けるのが困難になっていったん離職しても、再就職しやすい社会環境だとか。

そうした状況が当たり前になれば、仕事と介護の両立に悩む人はかなり減るんじゃないかと思います。

ななのひとこと・ふたこと

環境や状況はひとりひとり違います。労働人口が減少していくなか、ダイバーシティを認める社会、働き方の多様性・柔軟性が求められる時代だよな、と感じます。