永代供養は、お寺や霊園が永代にわたって管理し供養してくれるため、継承者(お墓の跡を継ぐ人)がいなくても問題ありません。
お墓に関する負担や心配を軽減できるメリットがある一方、比較的新しい供養方法のため、どんなことに気をつけて選べばいいのか分からない方も多いかと思います。
そこで今回は、永代供養を選ぶ際のチェックポイントをまとめました。記事の最後にチェックリストもご用意していますのでご活用ください。
まず初めにやるべきこと
永代供養を検討し始めたら、必ず家族や親族などに「お墓」についてどのような考えや意向を持っているかを確認しましょう。
まったく身寄りがない場合は別ですが、そうでなければ、お墓に関することはひとりだけの問題ではありません。
もし反対されたら、きちんと話し合うことが大切です。お互いの意見を尊重し、納得した上で選びましょう。
永代供養の選び方チェックポイント
立地・交通アクセス
- 自宅からの距離は遠すぎないか
- 公共交通機関を利用した場合の所要時間<路線、乗換回数などもチェック>
- 徒歩ルートの状況(階段や急坂の有無、車の往来頻度は激しくないか)
- 車でのルートと所要時間(お彼岸・お盆時の渋滞状況、駐車場の有無など)<駐車場があっても、法要や見学時のみ使用可で、お参り時は使用できない施設もある>
- 周辺環境(周辺エリアの環境や雰囲気はどうか、近隣に商店などがあるか)
費用
- 初期費用には何が含まれているか(永代使用料、墓誌など)
- 別途必要になるものはないか(お布施、塔婆料など)
- 年間管理料は発生するか
- 管理費用がかかる場合、一括で払うのか年単位で払うのか
- 将来新たに遺骨の安置が必要になった場合、追加費用が発生するか
- ローンや分割払いは利用できるのか
- 戒名は付けてもらえるのか(付けてもらえる場合の費用はいくらか)<初期費用に含まれているケースもある>
宗旨・宗派
- 宗教・宗旨・宗派の制限はあるか(宗教不問、在来仏教であれば宗派不問、檀家になることが必要など)<お寺でもキリスト教や神道OKという施設もある>
- 戒名を付けることが条件になっているか
施設
- 付帯設備は充実しているか(本堂、法要室、休憩所など)
- 葬儀や周忌法要ができるか
- 冷暖房やセキュリティ設備に不安はないか
- 全館バリアフリーに対応しているか
参拝スペース
- 参拝する場所は、落ち着いて静かにお参りできるスペースかどうか<プライバシー保護のための配慮がなされているか、騒がしい雰囲気ではないか>
- お参りはどのようにできるのか<遺骨を前に拝める、 離れたところでする、共同の祭祀箇所が定められているなどさまざま>
- お供物を供えたり、線香を焚くことができるか
納骨期間
- 個別安置してくれる期間は何年か<はじめから合祀、7回忌/13回忌/33回忌までは個別、希望年数までは個別など>
- 安置期間が過ぎたら遺骨はどうなるのか<骨壺から骨袋に移し替えて棚で収蔵、他のお骨とまとめて埋葬など施設によって異なる>
- 合祀される場所はどこか(屋内か屋外か)
納骨方法
- 納骨スペースはどうなっているか(形態、大きさなど)
- 一人用か、夫婦や家族が一緒に入ることはできるか
- 納骨対象の制限はあるか<血縁関係のない友人やペット可という施設もある>
供養の方法
- 法要の回数は(春秋のお彼岸とお盆の年3回、祥月命日に1回、毎日など)
- 供養の方法は(決まった宗派のものかなど)
- 生前申し込みはできるか
- 生前申し込みできる場合、初期費用以外に発生する費用はあるか<納骨までは管理費が不要という施設もある>
経営状況
- 墓所販売会社と管理運営会社は同一か<墓所販売会社と管理運営会社が異なる場合、販売会社の対応がよくても、管理運営会社の対応がいまいちという可能性もある>
- 経営主体(宗教法人など)の経営状況はしっかりしているか(歴史のある寺院が運営しているか)<閉鎖問題が起きた札幌の納骨堂のように、単立寺院だと、万が一のことがあったときの対応が難しい>
- (納骨堂の場合)修繕計画はきちんと立てられているか
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ななのひとこと・ふたこと
永代供養は、将来に渡って末永く供養をしてもらうことになるため、お寺や運営者がどのような考え方で供養に取り組まれているかを確認することも、とても大切です。
いくつか候補をしぼったら、気になるところは、実際に見学してご住職などに会って話をしてみるとよいでしょう。