介護をしていると「毎日、時間に追われているなぁ」と感じ、時間がいかに大切か、日々実感します。
介護と育児の共通点
働きながらの介護と育児は「時間に余裕がない」という共通点があります。
介護も育児も突発的に対応しなければならないことが起こります。
朝、体調が優れないというので病院に連れて行くため、仕事を休む・遅刻する・早退するなどは日常茶飯事です。
また、朝は普通に保育園やデイサービスに行ったとしても、急に具合が悪くなって、呼び出されることもあります。
育児と仕事の両立
10年前、私の周囲で、フルタイムで働きながら育児をする女性はほとんどいませんでした。出産を機に会社を辞める先輩や友達が多かったです。
でも今は、出産して働き続けることは決して珍しいことではありません。
うちの会社では、出産する女性の大多数が産休・育休を取って職場復帰しています。出産を機に仕事を辞める人はほとんどいません。
時短勤務制度を利用して、なんとかやりくりしているからです。また、職場の理解も進んでいます。
社会全体が育児に対して関心や理解を深めていったことが大きいでしょう。
介護と仕事の両立
一方で、介護休職する人や介護時短勤務をする人は、うちの会社では今もほとんどいません。
私は直属の上司に介護していることを打ち明けて、業務上配慮してもらっています。でも、介護をしていることを会社に告げずに働いている隠れ介護者は、結構いると思います。
うちの会社の介護者支援制度
以前、介護に行き詰まっていた頃、時短勤務制度の利用を考えました。
うちの会社の時短勤務制度では、(私にとっては)メリットよりもデメリットが大きいので、結局利用していないのですが、その際に会社の人事担当者に聞いた話が印象的でした。
「育児者に対する制度はだいぶ整えてきたと思っているが、介護者に対してはまだまだで、今後少しずつ整備していきたいと考えている。」
そっか、介護についてはまだこれからなんだ。
介護への関心の低さを垣間見た思いがしました。
使用理由を制限しない在宅勤務制度
日産自動車では、介護や育児に限定せず、誰でも在宅勤務ができる制度を導入しているそうです。特殊な事情がなくても、月40時間までの在宅勤務を認めています。日産には育児・介護者に対する手厚い制度があるにも関わらず、「この制度のおかげで介護との両立がしやすくなった」という社員が増えました。
「理由を申告して使う制度は周囲に気兼ねして使いにくい。」裏を返せば、「理由を申告せずに使える制度なら利用しやすい。」ことに他なりません。
介護離職ゼロのために必要なこと
たとえ充実した制度だとしても、介護や育児に限定されると、やっぱりなんとなく取得しづらいです。
でも誰でも利用できる制度であれば、気兼ねなく利用できます。日産のような会社が増えると仕事と介護の両立もしやすくなります。
介護離職ゼロのために必要なことは、社会全体の意識改革・企業の制度改革なんじゃないかと思います。
ななのひとこと・ふたこと
育児に対する理解や関心がここ10年程で急速に深まったように、介護も今後10年できっとそうなるでしょう。
制度が整っていればそれでいい、というわけではもちろんありません。周囲の理解や関心、協力がなければ育児も介護も両立はできません。誰もが「他人ごと」ではなく「自分ごと」として考えるような社会になったらいいなと思います。