高齢者の便秘 | 排便をコントロールする?どうやって?

便秘解消 母の介護

母は13日連続で排便がなく、先日ようやくお通じがありました。13日も便が出なかったのに、本人はあまりつらそうではなかったのが不思議です。

何日出ないと便秘なの?

「便秘」の定義ってなんでしょうか?

排便がないこと?じゃ、それが何日続くようなら?

臨床的には、4日以上便が出ない状態と「便秘」だと定義されるそうです。

でも、排便周期には個人差があります。単純に日数だけで定義できるものでもないはずです。

私は、1週間くらいお通じがないなんてことは割としょっちゅうあります。お腹が張って苦しいと思う時もあれば、ほとんど気にならない時もあります。

もちろん毎日排便があるに越したことはないけど、本人が不快感や体の不調を感じていないならいいんじゃないかな、と思っています。

とはいえ、さすがに母が13日も排便がないのは、いくらなんでも心配です。

坐薬を使い、ようやく排便が

母は化膿性脊椎炎で入院していた際、いくつかの便秘薬を服用していました。高齢の入院患者の場合、3〜4日排便がないと下剤が使われるのはよくあることのようです。

退院時にも同じ薬が処方されました。今も飲み続けていますが、最近排便がなかなかないのでもしかして耐性ができて効きにくくなってきたのかもしれません。

かかりつけ医に相談したところ、レシカルボン坐薬を処方されました。今後も「3日くらい排便がないときは使ってください」と言われました。

レシカルボン坐薬とは

肛門に挿入して、下部大腸である直腸やS状結腸に炭酸ガスを発生させる。炭酸ガスを発生させることにより大腸を刺激し、大腸(特に直腸)の動きを活性化させる。
炭酸ガスは元々腸に存在するガスなので、副作用が少なく、耐性(薬に慣れてだんだん効きにくくなる)も起こりにくい。

便秘解消

なんとなくモヤモヤする

レシカルボン坐薬を使い、とりあえずお通じがあったから良かったものの、根本的な解決にはなっていないし、便秘薬を飲み続けるのにもなんとなく抵抗があります。

自分の知識がないからか、前回の診察でかかりつけ医に言われるがままになってしまったようなモヤモヤ感もあります。そこで、高齢者の便秘についてインターネットでいろいろ調べてみました。

その中で、昭和大学医学部 一般・消化器外科 神山 剛一先生(2008年当時)が提唱する「排便をコントロールする」という考えが特に興味深かったので紹介します。

排便コントロールは「便の性状コントロール」

排便コントロールとは、「毎日出す」「3日に一度は必ず出す」といった周期のコントロールではなく、むしろ適度の硬さをもつ普通便を出すことを目的とした「便の性状コントロール」であるべき。

大切なのは本人にとって適切な排便のリズムを見つけること。「3日間便が出ないから異常」と短絡的に考えるのではなく、排便困難や不快な残便感、下痢、モレなど、排便に関して本人が苦痛に感じている問題のすべてを「排便障害」としてとりあげ、個別の対策を立てることが大切。

排便コントロールの方法

排便日誌をつける

  1. 排便の状況を記録することで排便のリズムがわかり、問題点も明確になる。
  2. 問題が明確になったら仮説を立てて、薬を調整(減らしたり変更したり)する。
  3. 薬を調整し記録を続けることで、より適切な薬のコントロールができるようになる(便の性状を見ながら下剤の量を調節する)。

排便日誌に記録すること

便のかたち(性状)

排便周期が長くても、適度な硬さの普通便が出ていれば問題ない。
便の性状で大切なのは硬さ。水分量によって便の量は変化するので、量は、多・中・少の3段階程度を簡単に記録するだけでOK。

腹部の触診で感じたこと

今日はいつもより張っているなとか、ゴロゴロいう音がいつもより少ないな、というふうに、日々の違いを感じること。
興味を持って触っているうちに、経験で様々なことがわかってくる。「たまっているのは便かガスか」とか「腸のこの辺りまで便がきているな」といったことを、触診を通じてより正確に把握できる。

食事内容

口から入ったもののうち、消化しきれなかったものや食物繊維などが便のもとになる。便のもととなるものをいつ、どの程度摂っているか、記録しする。
たとえば、ある日、食事にひじきの煮物を食べたとして、その3日後にひじきが出てくれば、排便周期は3日くらいだと予測がつく。食べたものを把握しつつ便の中身をみれば、腸の動きがわかる。

排泄ケアナビより抜粋

ななのひとこと・ふたこと

やっぱり、食事や運動といった日々の生活習慣が大事なんですよね。母の便秘予防のためにと始めたダノンビオヨーグルト、今は毎日朝昼晩と1日3個、食べてもらっています。