介護と仕事を両立するうえで、「職場の理解が得られるかどうか」と「時間の融通がきくか」はとても重要なポイントです。
介護をしていると、どうしても休まなければならなかったり、遅刻や早退をせざるを得ないときがあるからです。
私の働いている会社は、時間の融通がきく制度がわりと充実しているので、介護するうえでとても助かっています。
「会社を休む・遅刻する・早退する」のはこんなとき
高齢者は若い時と比べて体力が落ちているため、急に体調を崩すことがあります。
昨晩までは元気だったのに、朝起きたら具合が悪くなっていることもあります。そんなときは、病院に連れて行くため、会社は遅刻しなければなりません。
また、デイサービスから呼び出されることもあります。
朝はいつもと変わりないように見えたので、いつも通りデイサービスに行かせたところ、「具合が悪くなったので迎えに来て欲しい。」とデイサービスから連絡がきて、会社を早退することもあります。
昨年、肺炎で2回入院したときはまさにこのパターンでした。迎えに行ってそのままタクシーで病院に連れて行ったら、「即、入院です。」となりました。
また、母は持病を抱えていて定期的に通院しているので、私は、病院に連れて行くためにその度に有給休暇を取っています。
その他、行政関連の手続きもあります。最近では、介護保険の更新認定面談を受けるために早退しました。
利用できる制度は利用する
さらっと書きましたが、ちょくちょく休暇や遅刻早退をしています。
そんなに休んだりして大丈夫なの?と疑問に思われた方もいるかもしれないですね。
うちの会社の良いところは「休暇を取りにくい雰囲気はない」「時間の融通が(ある程度)きく」点です。
会社によっては「有給休暇なんて取れる雰囲気ではない、取ったことがない」というところも、少なからずあるようなので、その点ではとても恵まれていると思います。
会社風土によるところが大きいと思うんですが、うちの会社は有休を取りやすいです。業務に支障がなければ、当日の朝「今日、会社休みます。」となっても、誰もなんとも思いません。
また、フレックスタイム制度と時間有休制度(1時間単位で有休を取れる)があるので、遅刻早退もある程度融通がききます。
時短勤務制度を利用しない理由
一定の条件を満たした場合、育児者または介護者が利用できる時短勤務もあります。
デイサービスの送迎時に、私が家にいられたら安心だな、と思って時短勤務の利用を検討したこともあったのですが、結局利用していません。
一定の条件は「要介護状態であること(介護の場合)」なので、うちの場合は条件はクリアしています。(現在、要介護3)
それでも利用しない理由は、ふたつあります。
ひとつは、上で書いた通り、フレックスタイム制度や時間有休制度を利用すれば、大抵のことはなんとかなるからです。
もうひとつは、短縮できる時間が中途半端なわりに、減給される金額が多いからです。「短縮できる時間は、就業時間から1時間」と定められていて、その時間ではデイサービスの送迎には間に合わないのです。また、時短勤務にするとフレックスタイム制度は利用できなくなるのも大きなデメリットです。
時短勤務について人事部の担当者に相談したとき、「育児者に対する支援や制度はだいぶ整えてきたが、介護についてはまだまだこれからだと思っている。今後、介護者も増えるだろうから、会社として検討はしている。」と言われました。
うちの会社は、時間の融通という点においてはわりと恵まれているほうだとは思います。でも、介護者に対する制度はまだまだなんだな、とも思います。
会社の制度に頼り切るつもりはないけれど、利用できるものは利用して、無理しない介護を続けていきます。
ななのひとこと・ふたこと
介護って育児と通じるところが多いな、と感じます。
昨年、樋口恵子さんの講演を聞く機会がありました。そのときに樋口さんが「10年前、育児をしながらフルタイムで働く女性に対して、世間や職場の目は厳しく、大変な思いをしていた。しかし、この10年ほどで状況は大きく変わった。介護も、今後10年でそうなるはず、いや、そうならなければならない。」とおっしゃっていました。
高齢化はますます進み、働きながら介護する人がさらに増えるのは間違いありません。樋口さんの言うように、介護者が働きやすい社会になると良いと思います。