在宅介護の限界を感じたその後
去年の春ごろ、介護に行き詰まりを感じ、「在宅介護を続けるのはもう無理かもしれない」と思うようになりました。それから約半年の間に、自分の気持ちの変化や物理的にもいろいろあって(母を2ヶ月ほどサ高住に預けました)、でもそれをうまく文章に表現できる自信がなく、もう1年以上が過ぎてしまいました。
今は、平日はほとんど小規模多機能の泊まりを利用していて、母に会うのは週に2回程度です。これで在宅介護しているといえるのか、そもそも母にとってこの状況はいいことなんだろうか、と常に悩み、葛藤しています。
「お母様が家に帰りたがって落ち着きません」とか「いつ、家に帰れるの?と何回も聞かれます」と、連絡帳に書いてあったり、ケアマネさんや職員さんからそんな話を聞くと胸が痛みます。
介護は無理せず細く長く続けていくもの
以前は、上司が少なからず業務を配慮してくれていたおかげもありましたが、それでもトイレに行く時間すら惜しんで仕事をし、定時になったら急いで帰宅して、家に帰ったら帰ったで寝る時間を削って、毎日母の介護をしていました。
些細なことにもイライラして、今にして思えば、時間的にも精神的にも身体的にも、かなり追い詰められていたんだと思います。
「介護は無理しちゃいけない」と頭ではわかっていたつもりなのに、実は全然わかっていなかったんですね。
今ならわかります。
理想や完璧を追い求めて無理を重ねて、ある日プツッと糸が切れたように何もかも放り出したくなってしまうくらいなら、初めから(いい意味で)手を抜いてやるべきなんです。
介護は細く長く、続けていくんだから。
100点を目指さない。60点でいい。
平日、母が泊まりに行っている夜は、いつもこんなことを思います。
「今、何してるのかな。夜ご飯、何食べたのかな。ちゃんと食べられたかな。もう寝たかな。夜中、咳き込んだりしていないかな」
理想を言えば、毎日母と一緒にご飯を食べて、母とおしゃべりをして、母の寝顔を見て安心したいです。
でも、現実問題として、今の私には、毎日母の介護をできる自信がありません。
だったら、今の自分にできることをやるしかない。自分の思う理想の介護と違っていたとしても、今の自分にとってそれができないことなら諦めるしかない。
「ゼロか100か、ではなく、60点でいいんだ」と自分に言い聞かせてます。
平日ほぼ毎日泊まりだと、ハッキリ言って金銭的にはかなり痛いです。うちは私と弟で母の介護費用を負担しているので、これからの(自分たちの)不安がないわけではありません。
でも、考えてもどうにもならないし、「今の私たちにできる最善策はこれだと思う」と自分たちが考えているなら、それはそれでいいかな、と思ってます。他人にどうこう言われる問題でもないし。
まあ、先の不安を考えないようにして現実逃避している、とも言えるんですけどね。
ななのひとこと・ふたこと
1年以上前の、サ高住に入った話やその頃の私の気持ちなどについても、いずれ書きたいと思っています。。。