小室哲哉さんの会見について思うこと
音楽プロデューサー小室哲哉さんの会見に対して、テレビやインターネット上でさまざまな意見が飛び交ってますね。
小室さん全盛期の頃を知っている世代としては、引退することに(特にファンというわけではないけど)驚きと一抹の寂しさを感じます。
ただ、一番驚いたのは、会見で話した介護のことについて、とても多くの賛否両論の声が上がっていること。
ワイドショーのコメンテーターの「妻の介護を言い訳にしている」「介護をことさらに強調して、同情を煽っている」発言には怒りすら感じます。
あなた、介護したことないですよね?介護者の気持ち、これっぽっちも分かってないですよね?なんでそんな上から目線でものを言えるんですか?どれだけ偉いんですか?
ネットでの一般の人のコメントは、介護経験者と思われる人の意見にやっぱり同調します。
「介護がつらいと言って何が悪いのか」「(男女の関係うんぬんはともかく)介護者は息抜きをしてはいけないのか」
本人がつらいと感じているなら、仮にはたから見てそうは思えなくてもそれはつらいってこと。あくまで本人の主観なんだから。
それに対して「もっと頑張れ」と意見したり、否定するなんてもってのほかです。
責任のない人ほど、自分の意見を押し付ける
他人の発言なんかまったく気にしない強い人もいるかもしれないけど、大多数の人は多かれ少なかれ気にします。
言った本人は、深い意味はなく、単にその時なんとなく思いついたことをただ口に出しただけかもしれません。
でも「無責任に放ったその一言が、どれだけ相手を傷つけるか、どれだけその言葉に縛られるか、少しでも想像してみなよ」と言いたいです。
自分がもしその立場になったら、自分が言ったこと、ほんとにできるの?
偉そうに発言してるけど、介護したことないよね?
そもそも「やったことある・ない」に関わりません。介護経験があったって、他人の介護に口出しするべきじゃないです。状況は人それぞれで、介護のやり方、向き合い方に、唯一の正解なんてないんですから。
当事者ではない(責任を取らない)立場の人間が横からとやかく言うものじゃないんです。
取捨選択するのはあくまで当事者
「私はこうしている」と経験を話すのはもちろんありです。
介護者にとって、同じような立場、気持ちを感じている人との交流や情報交換ほど心の助けになるものはありません。私自身、介護者の皆さんとの交流のおかげで今の自分があると思っています。
経験者が自分の経験や情報を共有するのは、介護者にとってとても有意義なことです。ただし、その話を聞いて参考にするかしないか、取り入れるか取り入れないか、は本人が決めることであって、それを押し付けるのは間違ってます。
当事者ではないのに、他人の介護に口出しするのは決して許されることではありません。
私がこう思う原体験は、ある家族会でのつらい経験によるものです。
「あなたのしていることなんて大したことない。若いくせにそんな愚痴言っちゃダメ。うちの介護の方がもっと大変」
老々介護をしている女性の発言でした。
介護初期で何も分からず、藁をもすがる思いで参加した会でそんな風に言われて、これから先どうすればいいのか、絶望にも似た気持ちになったことをいまでも忘れられません。
なんて悪いことばかり書いてしまいましたが、もちろんそんな家族会ばかりではないです。
ななのひとこと・ふたこと
テレビで小室ファミリーの曲を耳にしない日はないんじゃないかと思うくらい、流行ってましたよね。今回の騒動がなくても、今年引退するつもりだった、なんていう報道も見かけました。時代の移り変わりを感じます。