成人の日である1月11日、東京大学本郷キャンパスにある山上会館(さんじょうかいかん)で開催された、高齢社会検定合格者の祝賀会と交流会に参加してきました。
高齢社会検定とは?
世界で最も高齢化が進んでいる「高齢化最先進国」日本。2030年には全人口の3人に1人が65歳以上の高齢者になると予測されています。
東大は、超高齢化社会の現状把握と課題解決を目指し、2009年に全学部横断の「高齢社会総合研究機構(IOG=Institute of Gerontology)」を立ち上げました。高齢社会についての幅広い知識を一般の人にも身につけて欲しいとの目的から、2013年より毎年1回のペースで、高齢社会検定を実施しています。
どんな人が受験しているの?
受験者は30代〜50代で約75%を占めています。職業は会社員が最多で、これも約75%。
交流会に参加して感じたのは、「仕事で使うために受験している人が多いんだな」ということでした。特に、銀行、生保、行政関係に勤めている人が多かった印象です。
どんな人が受験すべき?
協会は以下のような人を受験推奨対象者として挙げています。
- 企業関係者:高齢者市場開拓、商品サービス開発の基礎知識として
- 行政、自治体関係者:制度、施策立案場面における基礎知識として
- 高齢者と接する専門職(医療、福祉他):高齢者の状態理解と相談機能向上のための基礎知識として
- 一般の学生、生活者:人生100年時代の人生設計場面の基礎知識として
(交流会で配布された参考資料より抜粋)
高齢社会エキスパートを名乗ることができる
合格者は高齢社会エキスパートという協会認定資格(称号)を与えられます。公的資格ではありませんが、名刺や履歴書に書くことで、仕事に役立てられたり、お客の信頼が高まることなどをメリットとしています。
高齢社会検定の公式テキスト
「東大がつくった高齢社会の教科書」
総論、個人編、社会編の3部立てになっています。内容はざっくりとこんな感じ。
- 総論:今後迎える超高齢化社会の姿、課題、可能性
- 個人編:高齢者の暮らし、住まい、お金、社会資源など
- 社会編:社会保障、医療制度、高齢者福祉、年金など
東大がつくった高齢社会の教科書
このテキスト、検定試験の勉強が目的でなくても、高齢社会の知識を得るために読むだけでも充分ためになります。私がこの本を買った時は、特に受験目的ではありませんでした。
本屋さんでたまたま見かけて「高齢社会の現状や問題提起、今後の方向性などについてわかりやすくまとまっているな」と思って、知識をつけるために買いました。
試験は難しいの?
テキストを買ってから2年ほど放置してたのですが、去年ふと思い立って、せっかくだから受験してみることにしました。
試験はマークシート方式です。「常識的な知識があればそんなに難しくないんじゃないかな」とタカをくくっていましたが、数値データに関する出題もあり、意外と難しく感じました。
そんなわけで、テキストをざっと読んだだけでしっかり勉強したわけではなかったので、合格点ギリギリでした。
試験会場と今年の日程
試験はこれまでに3回行われました(2013年から毎年1回ずつ)。会場は、東大駒場キャンパスです。私は、昨年の第3回検定を受検して合格。高齢社会エキスパートとなったので、祝賀会&交流会に参加してきました。
第4回である今年は2016年10月29日(土)東京大学駒場キャンパスにて実施されるそうです。
ななのひとこと・ふたこと
高齢社会検定では、現代社会に不可欠な3大スキルとして、「英語・ICT・高齢社会の知識」を挙げています。
日本は「高齢化最先進国」にもかかわらず、多くの人は高齢化社会の実態を知りません。下流老人といった言葉を最近よく見かけますが、不安をあおるような情報だけがひとり歩きしているように感じます。
人生100年時代と言われる現代、私たち一人ひとりが、「いかに生きるか、いかに死ぬか」を考えなくなくちゃいけないな、と思います。