遺影の選び方に決まりはある?選ぶときに気を付けるポイントは?

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遺影は、お通夜や葬儀・告別式の際に祭壇に飾ります。そのため、生前に準備している場合を除いて、故人が亡くなった後、お通夜までに準備する必要があります。

時間の余裕がないなか、どのように写真を選べばいいのか、基準がわからず悩んでしまうことも少なくありません。今回は、遺影に使う写真を選ぶときに気を付けるポイントについてご紹介します。

遺影とは?

そもそも遺影とはどういったものなのでしょうか?

遺影は故人を偲ぶための写真

遺影はお通夜や葬儀・告別式の際に祭壇に飾る故人の写真です。

葬儀が終わった後も仏壇の近くに飾ったり、手元供養のために飾ったりして、遺影を手元に残しておく人が多いです。

故人を偲ぶために飾られる写真なので、なるべく人柄が表れているようなものを選ぶといいでしょう。遺影写真を見ることで、故人との想い出を振り返ることができます。

以前はかしこまった表情の遺影写真が一般的でしたが、最近は笑顔や明るい表情の遺影写真にすることが多くなってきています。

遺影に宗教的な意味はない

遺影に宗教的な意味はないので、遺影がなくてもお通夜や葬儀をすることに問題はありません。

とはいえ、遺影があると、在りし日の故人の姿を見ながら、参列者が個人との思い出を振り返ったり、最後の言葉をかけやすかったりします。そのため、お通夜や葬儀の場には遺影を飾るのが良いとされています。

遺影写真を選ぶポイント

故人の生前の姿として残り続けるものだからこそ、遺影用の写真を選ぶ際には、いろいろと迷ってしまいます。そこで、遺影用の写真を選ぶ際のポイントを紹介します。

服装

遺影用の写真を選ぶ際、故人の表情は気に入っていても、服装がいまいちというのはよくある話です。ただし、写真加工で修正できるので、服装が気に入らない写真であっても大丈夫です。

遺影の作成は葬儀社にお願いするケースが多いです。必要に応じて依頼すれば、服装をスーツや着物などに加工してくれます。最近では、街の写真屋さんやプリントサービスなどでも遺影写真を作成できるところが増えています。

昔はスーツや家紋付きの黒い着物を着た写真を遺影写真として使用するのが一般的でした。しかし、最近はそのような写真を選ぶ人は減り、普段着やお気に入りの服装の写真が好まれるようになってきています。

遺影写真は故人を思い偲ぶためのものなので、無理にフォーマルな服装にする必要はありません。正装でも私服でもどちらでも問題ありませんが、大切なのは、遺影からその人らしさが伝わるかどうかです。

ただし、大勢の参列者が集まる葬儀や、故人が会社でそれなりのポジションについていた場合などは、スーツや着物などを着た遺影のほうが、参列者に違和感を与えないこともあります。ケースバイケースで決めましょう。

背景

遺影写真を選ぶにあたり、服装と同様、写真加工できるので、背景も気にする必要はありません。

遺影用に生前に写真を用意しているのでなければ、背景を含めてすべて気に入る写真を探すのはなかなか難しいでしょう。

好きな色の背景を選べるのはもちろんのこと、遺影作成の依頼先にもよりますが、お花や景色に加工できる場合もあります。

表情

遺影写真選びで最も重要なのが、表情です。

見るだけで生前の姿を思い出せるような表情のものだと、故人がそばにいてくれるように感じられるかもしれません。

正面から撮影した写真を使うのが一般的ですが、横顔などあえて正面以外の角度から撮った写真を使う場合もあります。自然体で撮影された、故人らしさが伝わる表情の写真を選びましょう。

撮影時期

遺影は、なるべく亡くなった年齢に近い時期に撮影した写真を選ぶのが望ましいとされています。ただし、遺影の撮影時期に、この頃でなければならないといった決まりはありません。

写真を撮られるのが好きではなかったり写真を撮る機会があまりなかった人だと、近影を見つけることが難しいことがあります。また、近影はあっても、病気を患って、元気な頃の様子とは変わってしまっていることも珍しくないでしょう。

近影で良い写真が見つからなかったりした場合、家族や本人の意向を踏まえて元気だった時期の写真を使う人もいます。

とはいえ、亡くなったときとあまりにもかけ離れている若い頃の写真を選んでしまうと、お葬式の参列者に違和感を与える可能性があります。遺影を見ても故人と分からないような写真は避けましょう。

亡くなった年齢にもよりますが、老齢で亡くなった場合、亡くなる前10年以内くらいであれば、それほど大きな違和感はないと思います。

遺影写真を選ぶ際の留意点

遺影写真を選ぶ際に気をつけたいことをお伝えします。

不自然な加工は避ける

現代は加工技術が発達しているので、服装や背景など気軽に写真を綺麗に加工できます。

遺影写真を加工すること自体は問題ないのですが、不自然な仕上がりにならないように気をつけましょう。本来の姿からかけ離れてしまうと、遺影写真の意味が薄れてしまいます。

遺影写真を加工するときは、遺族が見て納得できる、故人の生前の人柄がイメージできる仕上がりに留めることが大切です。

ピントが合っている写真を選ぶ

しっかりとピントの合った写真を選びましょう。ピントがズレていると、写真を引き伸ばした際にぼやけてしまいます。

また、引き伸ばすと画質が粗くなるので、解像度の低い写真も避けましょう。近年のスマホで撮った写真であれば問題ありません。

日常的に写真を撮っておく

故人の良さが伝わる写真を準備するために、日頃から写真を撮影しておきましょう。

ちょっとした外出や親戚が集まる食事会といった場面で、表情がよくわかる写真を撮ることを意識してみてください。

家族との思い出を残す気持ちで普段から写真を撮っておくと、あとで見返すこともできるのでおすすめです。

ななのひとこと・ふたこと

私は、割とこまめに母の写真を撮るようにしていたのですが、それでもやっぱり、遺影にする写真を選ぶ際にはいろいろと悩みました。

いいなと思う表情の写真は普段着の服装のものしかなく、加工することもちょっと検討しました。でも結局、着ているのを見たことがない服装にするのは違和感があるかな、と思って、そのままの服装にしました。

母らしさが滲み出ている表情の写真を選んだので、とても気に入っています。