「どうしてそんなことするの?」と思ったとき、介護者はどうしたらいい?

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ウソをつく・否定する・ごまかす

自分の言動を他人に否定されると悲しいし、気持ちや考えを共感してもらえると嬉しいですよね。それは認知症の人も同じです。同じというよりさらに敏感だと言えるでしょう。

私は、母の言動をできる限り否定せず、気持ちを受け止めたうえで、ときには寄り添うウソをついて母に接するようにしています。そうすると母は穏やかで落ち着いた気持ちで過ごしてくれるので、私も嬉しくなります。

母に穏やかな気持ちでいてもらえるという意味で、寄り添うウソは必要なことだと思っています。でも、ときにはウソをつくことにちょっとした罪悪感を感じることもあります。

例えばこんなときです。
自宅にいるのに「家に帰る」と母が言い出したとき、私は「今日はもう夜遅いから明日の朝になったら帰ろうよ」とウソをつきます。
それで母が安心してくれる場合もあるのですが、納得できない様子だと「あぁ、私は母を騙しているんだ。母に申し訳ない」と思うのです。

そういったときに大切なのは、母の気持ちにしっかり耳を傾けて、話を聞くことなんだと思います。

バリデーションとは

認知症の人とのコミュニケーション技術のひとつにバリデーションという方法があります。

バリデーションの基本は、認知症の人の意見や気持ちに寄り添い、ありのままを受け入れること。「共感して接する」「傾聴する」ことに重点を置いています。

バリデーション(Validation)は英語で「確認、検証、強化」といった意味です。バリデーション療法を考案したアメリカのソーシャルワーカー、ナオミ・フェイルさんは「認知症の人の経験や感情を認め、共感し、力づけること」と定義しています。

寄り添うハート

不可解な言動の裏に隠れた意味を考えてみる

母は自分を否定されると、声を荒げたりときには軽い暴力を振るうこともあります。他人に否定されたら悲しいのは私たちだって同じです。認知症の人は表現がストレートでわかりやすいだけのこと。

認知症の人が大声を出したり、暴れたりするのは、言葉でうまく表現できないから。わかってほしい・理解してほしいという気持ちの現れなんです。
誰だって「自分の話をきちんと聞いてくれる人・共感してくれる人」に対しては心を開くし、「自分を適当にあしらう人」には心を閉ざすのは至極当然です。

一見不可解に見える行動にも、すべて意味があるはずなんです。だから「なぜそういう行動をするのか、何を求めているのか」と介護者が考えて、言動の裏に隠れた意味を理解しようと心がけるのが大切だと思っています。

ななのひとこと・ふたこと

介護初期(特に、物盗られ妄想で悩んでいた頃)は、母の話をきちんと聞くどころか口をきくのさえ嫌だと思う時期もありました。それでも、母に対する態度を少しずつ変えていったら、母も徐々に落ち着いてきて、何より私自身、母に接する気持ちがとても穏やかになりました。

すべてを受け入れる・共感するのは難しくて、そう簡単にできることではないかもしれません。でもできるところから少しずつほんの少しずつでいいから、認知症の人の思いに寄り添う気持ちを持って接するのが大切だなと思います。

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