介護保険サービスの利用には、なにをするにもまず「契約」手続きが必要

制度・法律

ケアマネ(の属する事業所)と契約したら、ケアプランを作成してもらい、プランに応じたサービス提供事業者との契約を行います。
ただし、ケアマネがサービス事業所に属している場合は、ケアマネとの契約とサービス提供事業所との契約は同時に行われることが多いようです。

介護サービス提供事業者と契約する

うちは、地域包括の担当者から、介護サービス提供事業所に属するケアマネ紹介してもらっていたので、そのケアマネの事業所のデイサービスを受けることにしました。
そのデイサービスはうちから徒歩10分ほどのところにありました。ケアマネのTさんとの初顔合わせと施設の見学を兼ね、週末、私ひとりで訪れてみました。

デイサービスの見学に行ってみた

新しくきれいな建物で、1階がデイサービス、2階から上がグループホーム(要介護高齢者等が、家庭的な雰囲気で共同生活が出来る高齢者介護施設)になっていました。玄関先には送迎用のワゴン車が数台停めてありました。

Tさんに1階を案内してもらいました。利用者が通常過ごす場所(テーブルやソファ、テレビ、ちょっとした運動器具などが置いてある)がメインで、その他に、トイレ、お風呂、脱衣所がありました。そんなに広くはありませんから、見学はものの5分程で終わりました。

見学して感じた戸惑い

初めてデイサービスを見学したとき、「ここに母が通うのか。」と衝撃を受けたことを今でも忘れられません。

デイサービスは介護保険のサービスですから、当然のことながら利用者は高齢の方がほとんどです。語弊があるかもしれませんが、高齢者だけが集まっている場に、なんとなく違和感を覚え、日本の高齢社会の縮図を垣間見る思いがしました。そして、母もそのひとりだなんだという現実を突き付けられ、戸惑いを感じたのです。

見学をした後、契約書に本人(母)と家族(私)の名前、住所を記入し、ケアマネとの契約と介護サービス提供事業所との契約を締結しました。

介護保険においては、なにをするにもまず「契約」手続きが必要

介護保険施行前の高齢者福祉は、行政の「措置」により行われていました。「措置」から「契約」へと大きな転換となったのが、2000年4月の介護保険制度の導入です。

「措置」においては、利用を希望する高齢者が行政(市区町村)に利用申請をし、どんなサービスを受けられるかは行政が決定していました。利用希望者に選択の余地はありませんでした。サービス提供者は行政や社会福祉法人などに限定されていたため、サービス内容は画一的になりがちです。利用額は、所得に応じて増減していました。

一方「契約」では、利用を希望する高齢者とサービス提供者が契約を結びます。自分の希望に合わせてサービスを選択することが出来るようになったのです。また、サービス提供は民間の参入が認められたため、独自性が生まれました。利用額は、介護度に応じて増減します。

つまり、「措置」から「契約」へと制度変更されたことにより、行政からの押し付けではなく、利用者本位の考え方に変わったのです。