【認知症介護の鉄則】は、実は介護に限ったことじゃない

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若年性認知症介護者の悩み

昨日、とある会で若年性認知症の奥さんを介護なさっている男性にお会いしました。
これまで介護者の会などには何度となく参加していますが、若年性認知症のご家族を介護されている方にお会いしたのは初めてです。

若年性認知症についてはインターネットなどの情報でそれなりには知っているつもりでしたが、実際に介護されている方のお話を聞いて、改めてそのご苦労や高齢者のアルツハイマー型認知症との違いを感じました。

奥さんが発病したのは約4年前。今では家事全般をその旦那さんが担っているそうです。これまで介護サービスなどは使わずひとりで介護してきたけれど、特に精神的な面で参ってきているとのこと。もうすぐ奥さんが65歳になることもあり、先日介護認定の申請をして今はその結果待ちの状態とのことでした。

悩んでいることは大きくはふたつ。
「嫉妬妄想(浮気しているのではと疑われる)」と「外出したがらなくて家に閉じこもり気味なこと」。
そのお話を聞いて、母の介護初期の頃を思い出しました。

嫉妬妄想

嫉妬妄想と物盗られ妄想

うちの場合、母と娘という関係なので嫉妬妄想はありませんでしたが、母の物盗られ妄想に悩んでいました。まったく身に覚えがないことに対して、仲の良かった母から疑われる・罵声を受ける。挙句、怒鳴り合いの喧嘩になる。これほど悲しいことはありませんでした。

こうした妄想は一番身近で信頼している人に向けられるとも言われています。奥さんの嫉妬妄想はとても悲しくてつらいことだと思います。でも、旦那さんのことを愛していて、一緒に人生を歩んできたご夫婦だからこそ起こりうるとも言えるのかもしれません。
とはいえ、疑いをかけられている当事者にとってはそう簡単に割り切れるものではないこともわかっています。

当時、認知症についての知識に乏しかった私は母への接し方がわかりませんでした。
泥棒扱いされて罵倒されると、こちらも怒鳴り返す。
そんな毎日の繰り返しで、母の待つ自宅に帰るのが嫌で嫌で仕方がありませんでした。

でも今にして思えば、母は「自分が今までとは違う。何かおかしい。これからどうなるんだろう」といった不安や恐怖と戦っていたんだと思います。だからその不安を誰か(信頼している娘である私)にわかってほしくて、でもそれをうまく表現できなくてもどかしかったのかなと。
若年性の場合、ご本人の心の葛藤はさらに計り知れないものがあるのかもしれません。

あくまでも私の推測に過ぎないし、若年性認知症と高齢者のアルツハイマー型認知症では症状が違うこともわかっているつもりだけど、それでも、その男性にこう伝えました。

「若年性と高齢者とでは性質も異なるし、偉そうなことは言えないけど、でも、今のこのつらい状況を乗り越えたら、いい意味で諦める(=明らめ力をつける)ことができたら、きっと少しは気持ちが楽になるんじゃないかと思います。少なくとも私はそうでした。今は今でまた別の悩みはあるけど、母との関係は良好で、それなりに楽しんで介護してますよ。ひとりで抱え込まずに人に頼ったほうがいいし、弱音を吐いちゃいましょう」と。

家に閉じこもってばかりいる

もうひとつの悩み「外出したがらなくて家に閉じこもり気味なこと」について。
振り返ってみると、発症当時の母もそのきらいはありました。ふと気づいたときには、社交的な性格で近所づきあいも活発だった母があまり出かけなくなっていました。心配になって「お友達とぱーっと遊びに行ってきたら?お金出すよ」、地域の集まりなどを調べて「これ、参加してみたら?」などと促してみたりしましたが、無駄でした。

母がなぜ出不精になってしまったのか、その当時はわかりませんでしたが「自分に起きつつある変化に不安を感じ、気持ちが落ち込んでそんな気になれなかったんじゃないか」と、今となっては思います。

他人との交流や外出で刺激を受けるほうがいいのは事実です。出かけることでいい運動にも気分転換にもなります。家でじっとしているより歩いたほうが足腰にもいいです。
でも本人が嫌がるなら無理に連れ出す必要はないし、逆効果です。たとえ良かれと思っていても、本人の嫌がることを無理強いしてはダメです。無理強いされたら、自分だって嫌です。認知症の人だって同じです。

ななのひとこと・ふたこと

母の言動や置かれた状況を丸ごと受け入れるつもりで明らめ力をつけたら、母の症状は少しずつ落ち着いてきました。自分自身の気持ちも楽になりました。で、【認知症介護の鉄則】と思って以下まとめてみたけど、別にこれって介護に限ったことじゃないですね。

  • 他人や現状を否定しない・受け入れる
  • 他人に無理強いしない
  • 他人を変えようとしない
  • 自分が変わる(気持ちや考えを切り替える&行動する)ことで状況は好転する
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