ここ数日「熱中症警戒アラート」が連日発表されています。熱中症は重症化すれば死に至る危険すらあります。特に高齢者は注意が必要なのです。
熱中症で亡くなる人は毎年1000人以上
近年、熱中症で命を落とす人が増えています。2010年に初めて1000人を超え、記録的猛暑だった2018年は1581人に上りました。それ以降も続けて、毎年1000人を超える高い水準で推移しています。
しかも熱中症で亡くなる人の8割以上を65歳以上の高齢者が占めていて、高齢な人ほど深刻になりやすいのが特徴です。
熱中症警戒アラートとは
最近よく聞く「熱中症警戒アラート」とはいったいなんでしょうか?
熱中症予防のための情報「熱中症警戒アラート」
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなる(暑さ指数(WBGT)が33を超える)と予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけて、 熱中症予防行動をとるように促すための情報です。
これまで重視されてきた気温に加え、熱中症に大きな影響を与える「湿度」「輻射熱」といった指標を組みこんだものです。
環境省と気象庁が2021年度から全国を対象に発表しています。2023年度は、4月26日から10月25日が対象です。最新の予測値をもとに、前日の17時頃と当日の朝5時頃に都道府県単位で発表されます。
熱中症警戒アラートができた背景
国はこれまで、気象庁の高温注意情報や環境省の暑さ指数(WBGT)などで国民に対して、熱中症の注意を呼びかけてきました。
近年、熱中症による死亡者数・緊急搬送者数は著しい増加傾向にあり、熱中症対策は極めて重要になっています。
そこで、気象庁と環境省が連携して、より効果的な予防行動へ繋げるための情報提供をすることを目的に、2021年度から「熱中症警戒アラート」が発表されるようになったのです。
「熱中症警戒アラート」が発表されているかを知るには
熱中症警戒アラートの発表状況は、ニュースや天気予報のほか、環境省熱中症予防情報サイトでも確認できます。
熱中症警戒アラートのメール配信サービスや環境省公式アカウントによるLINE友達追加すれば、発表された際に情報を受け取ることも可能です。
高齢者は特に注意が必要
高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいといわれています。
高齢者が熱中症になりやすい理由
暑いと感じにくくなる
加齢に伴い皮膚で温度を感じにくくなり、暑さを感じにくくなります。
のどの乾きを感じにくくなる
加齢により、のどの渇きに対する感覚も鈍くなります。脱水が進んでいても、のどの乾きを感じにいので、水を飲むタイミングが遅れてしまいます。
暑さを身体から逃がす機能が低下する
体温を調節する機能が低下し、また、体の熱を周囲に逃がす熱放散能力が低くなります。そのため、からだに熱が溜まって熱中症を起こしやすくなります。
体内の水分が不足しがち
体内の水分量は成人で約60%です。一方、高齢者は50~55%と少なくなり、気温の影響を受けやすくなります。
また、腎臓の機能の低下により、体の老廃物を排泄する際に多くの尿を必要とします。体内の水分量が少ない上に、体の老廃物を排出する際にたくさんの尿を必要とするため脱水症状になりやすいのです。
家族や周りの人が注意を払うことが大切
熱中症により救急搬送される人の約半数は高齢者です。高齢者は、暑さに対する感覚や体の調節機能が低下しているため、熱中症のリスクが高くなります。
高齢者本人が喉の渇きや暑さを自覚していなくても、脱水状態になっていることがあります。家族や周りの人が十分に注意を払い、意識して対策するようにしましょう。
ななのひとこと・ふたこと
ここ数年、毎年思うのが「去年ってこんなに暑かったっけ?」ということ。年々、暑さが厳しくなってきている気がします。。。