スマホを使い始めるきっかけとして「フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)が使えなくなる」ことを挙げる高齢者は多いそうです。
ガラケーはいつまで使えるのでしょうか?なぜガラケーは使えなくなってしまうのでしょうか?
高齢者がスマホを所有するきっかけ
いまや、60代では9割超、70代でも7割以上の人がスマホを所有する時代です。では、高齢者はどのようなきっかけでスマホを使い始めたのでしょうか。
NTTドコモの社会科学系の研究所の調査(*注)によると、ここ2年以内でスマホを所有した人は「フィーチャーフォン(ガラケー)が使えなくなると聞いた」ことがきっかけになったのが最も多いそうです。
*注:モバイル社会研究所の調査
スマホを所有した最も大きなきっかけは「家族からの勧め」が最多で27%となっています。「ガラケーが使えなくなると聞いた・使えなくなった」や「周囲にスマホを持っている人が増えた」という理由も少なくありません。
ガラケーはいつまで使える?
「ガラケーが使えなくなると聞いた」ことがスマホを持つきっかけになった高齢者が多いとのことですが、そもそもガラケーはいつまで使えるのでしょうか。
ガラケーとは
ガラケーとは「ガラパゴスケータイ」の略で、フィーチャーフォンとほぼ同じ意味の言葉として使われています。現在の主流であるスマホが普及する前は、二つ折りのガラケーが広く使われていました。
「ガラパゴス」は、周辺地域から海によって隔離され、独特の生態系を維持してきたガラパゴス諸島が由来になっています。
おサイフケータイやワンセグ、赤外線通信など日本独自で発達した機能を持つ携帯電話です。
日本独自に開発したために世界標準のサービスから外れてしまい、世界進出できなかったともいわれています。
いつまで使えるの?
現在流通しているガラケーの多くは、2000年頃からサービスが開始された「3G」と呼ばれる通信規格(回線)を使用しています。
3G回線は初めて高速通信を可能にした規格で、かつては携帯電話の通信を支えるシステムでした。
しかし、より高速で高品質な「4G(LTE)」や「5G」が登場し、3Gの利用者は減少し続けています。経営資源を集中させるためなどの理由から、通信キャリア各社は3Gサービスの終了を決めました。
それに伴い、3G回線を使用するガラケーは使えなくなってしまうのです。各端末メーカーはすでに3G回線のガラケー新機種を生産・発売していません。
通信会社大手各社の3G回線のサービス終了(予定)時期は以下の通りです。
- au :2022年3月31日
- ソフトバンク・ワイモバイル :2024年1月31日
- ドコモ :2026年3月31日
ちなみに、終了時期になったからといってガラケーが真っ暗になって操作ができなくなるわけではありません。「使えなくなる」というのは、3G回線を使用したインターネット通信や電話ができなくなるということです。
4G対応のガラケーはまだ使える
ガラケーが使えなくなるといっても、全てのガラケーが使えなくなるわけではありません。実は、ガラケーの中にも3G回線ではなく4G回線を使用する機種もあります。4G回線対応のガラケーなら、3G回線のサービス終了後も使うことができます。
「らくらくスマートフォン」のメーカーが倒産
今年5月、「らくらくスマートフォン」などの携帯端末を製造販売していたメーカー(FCNT)が民事再生法の適用を申請し、事実上経営破綻しました。
FCNTは、高齢者向けとして人気のあった「らくらくホン」を手がけ、「らくらくスマホ」シリーズなど、安定的に販売される定番モデルを持つことで知られていました。
さらに、京セラも個人向けスマートフォン事業からの撤退を発表し、主要な国内スマホメーカーとして残っているのはシャープとソニーの2社だけになってしまいました。
「らくらくスマートフォン」は使えなくなるの?
「らくらくスマートフォン」を販売していたNTTドコモはアフターサポートを継続すると告知しています。いま「らくらくスマートフォン」を使っているのであれば、今のところそのまま使い続けても大丈夫そうです。
ただし、今後、「らくらくスマートフォン」の新しい機種が出る可能性は低いでしょう。次に機種変更するときには、別の端末への乗り換えを検討する必要があります。
ななのひとこと・ふたこと
らくらくシリーズは安定して需要がありそうだと思っていたので、FCNTの経営破綻にはとても驚きました。らくらくホンの購入を検討したこともありますし、ちょっとショックでした。ガラパゴスケータイ、懐かしいなぁ・・・。